社会起業、ソーシャル・エンタープライズ関連カンファレンス、世界で目白押し

普段このブログでも紹介することが多い海外のカンファレンスですが、今回はちょうど今週末にアメリカとスペインで開催される、社会起業、ソーシャルベンチャー関連の2つの大きなカンファレンスを簡単にご紹介。

Social Enterprise Conference 2009 @ハーバード大学 3/1/2009

今年で記念すべき10年目を迎える、学生主催の社会起業・ソーシャルエンタープライズに関しての老舗カンファレンス。全て学生の手で運営されており、回を重ねる毎に参加者の数が増えているようです。先日米ビジネス雑誌フォーブズが選ぶ世界のトップレベルの会議12のうちに、ダボス会議TEDクリントン・グローバル・イニシアティブに並び選ばれているほど、注目すべき会議。

今年の基調講演は「エンデヴァー」という南米地域の社会起業家支援を行う組織の代表である、リンダ・ロッテンバーグ氏。また基調パネルの一人として、グローバルレベルでの社会起業家支援団体の草分け、アショカ財団の代表で、「社会起業家の父」と呼ばれているビル・ドレイトン氏など、恐らくこの分野では誰もが知るような財団、学者、社会起業家、ビジネス経営者などの専門家が100名程近く集まり、参加者の数も1日のイベントに1100人も見込む程大規模なイベントです。

キャリアに関してのジョブフェアも開催され、ティーチ・フォー・アメリカ、kiva、日本人である枋迫篤昌氏率いるMFI(マイクロファイナンスインターナショナル)等、30団体程がブースを並べます。


約15ある分科会では、これらの分野の専門家により、最先端のテーマが議論されます(こちらのトピックだけでも後日、ブログにアップ予定してます)ちょうど4年前に開催された時に分科会のテーマを翻訳したものがあるのでこちらのメルマガのバックナンバー(3/6/2005より)、よろしければご覧下さいませ。

8年前、2001年にこの会議のことを直前に友人から教えてもらい、夜行バスで駆けつけ、大きな刺激を受けたことでこのメルマガ・ブログなどを始めるきっかけになったことも、懐かしく思い出します。

The Doing Good and Doing Well Conference (DGDW) @IESE、バルセロナ(スペイン)2/27-28/2009

今年で6年目を迎える、ヨーロッパの名門MBAスクール「IESE」のResponsible Business Club(RBC)という学生団体が主催するカンファレンス。RBCは実は米国発のMBAネットワーク団体「Netimpact」の提携組織でもあり、この会議の共催団体としてNetimpactも名を連ねています。

フォーマットはハーバードでの会議と似ているのですが、こちらは2日間、そして規模にして約半分の500名程度とのことです。基調講演にはNetimpactの主要創立メンバーでもあるマーク・アルビオン氏や「Philanthrocapitalism」という本の著者であるエコノミスト誌ニューヨーク支局長Matt Bishop氏の
名前が含まれてます。

分科会、キャリアフォーラム等でもやはり米国とヨーロッパで顔ぶれが異なるので、興味ある方は(ややマニアかもしれませんが(笑))参照してみて下さい。1つ特徴的なことは、こちらには「クリーンテックベンチャーセミナー」という名の下、環境関連のベンチャーキャピタルや起業家の交流の機会が用意されています。


アメリカで10年目、ヨーロッパで6年目となるこのような国際会議を眺めるにつけ・・・、当然単純比較は妥当ではないし、またこのようなムーブメントが起こる社会的・経済的・歴史的背景も異なるのですが、日本でもいつか出来たらいいですね、と純粋に思ってしまいます。

おまけ:
上記ネットインパクト創立メンバーのマーク・アルビオン氏は、20年間ハーバードビジネス・スクールで教鞭をとった後、社会的な意識を持ったMBA・ビジネスプロフェッショナルに対して、書籍・講演などを通じ啓蒙活動をしている方です。近著「More than Money〜 Questions Every MBA Needs to Answer: Redefining Risk and Reward for a Life of Purpose」に関連したほのぼの動画があるので、よろしければ是非。映像だけでもなんとなくメッセージ、伝わってきます。

More Than Money: Questions Every MBA Needs to Answer (BK Life)

More Than Money: Questions Every MBA Needs to Answer (BK Life)

More Than Money - What Is "The Good Life" Parable