『ベイジン』(真山仁)一現代中国と希望の小説
- 作者: 真山仁
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/07/18
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普段あまり小説は読む方でないものの、気づいたら真山本はほぼ全て読んでいる。なんというか、想いある、現代社会派エンターテイメント小説。
青臭さもありながら、きっちり現実も織り込まれていて、バランスがいいところが気に入ってます。多分かつて漫画で「サンクチュアリー」なんか
を読んでいた人が読んでいるのかなぁ、と勝手に想像。
話の内容はそれぞれ生い立ち、立場が異なる日本人原発技術者と中国党幹部が、2008年8月8日のオリンピック開幕に合わせて世界最大の原発の運用開始
に向けて、いろいろなドラマが織りなされる、というもの。一気に読めて、エネルギーがもらえるような、そんな力強い小説でした。
発売日直前にこんなニュースがあり、異様な現実見を感じてしまいます。
中国「原発大国」へ、15年で6兆円を投資(Yahoo ニュース 2008/7/16より)
2008年7月15日、中国は今後15年以内に、「原発大国」を目指す計画であることがわかった。2020年までに4500億元(約6兆7500億円)を投じて、国内の原子力発電所の設備容量を4000万KWにまで増やす計画だという。広州日報が伝えた。
中国は今年、福建省の寧徳市と福清市、広東省の陽江市で、原子力発電所の建設が進めているが、記事はこれを「原発大国への序章に過ぎない」と指摘。中国ではこの3か所のほか、内陸部の湖北省、湖南省、江西省などで計数十基の建設計画が着々と進められているという。
1991年12月に中国初の国産原子力発電所が建設されてから20年足らずだが、「中国の原発戦略は、『積極路線』に転換した」と記事は指摘している。