【イベント参加報告】BRAC総裁、社会起業家研究家を招いて by 内閣府&東工大

1月24日、内閣府経済社会総合研究所東工大の国際的社会起業家養成プログラム共催の国際シンポジウム、「社会起業家を育てる大学教育と社会起業家研究」に参加してきました。

イベント案内 (PDF ファイル)

世界最大のNGOの一つ、BRAC(Bangladesh RuralAdvancement Committee)創始者、総裁のファズレ・ハサン・アベッド氏と社会起業家研究で国際的に活躍されているナヴァラ大学ビジネススクールIESE 教授のジョアンナ・メイヤー(Johanna Mair)氏の講演、パネル・ディスカッション、というとても密度の濃いものでした。

BRACは1973年にはバングラデシュ北東部農村の社会開発を目的に設立され、バングラデシュ及びアジア・アフリカの開発途上国において30年以上も多様な貧困撲滅事業を展開しているNGO団体で、現在は、職員数約 10万人、140の地域オフィス、年間予算約600億円の事業規模を誇る世界最大規模のNGOにまで成長しています。

ノーベル賞を受賞したムハマド・ユヌス氏のグラミン・バンク(バングラディシュ)と同様、マイクロファイナンスを通じて貧困層、女性の支援などをしつつも、病院、小中高、大学での教育機関運営、そしてそれらのノウハウをアフリカやスリランカなど8カ国に展開しているあたり、正直、圧巻されるスケール感、スピード感、そして実績でした。まさに巨人と呼ばれるのも納得です。NGOでありながら、ひとつの国家のような産業を興し、海外の貧困の支援までも、ビジネスの手法、海外政府とのパートナーシップを活用しながら進めている様は話を伺いながら呆然としてしまう程でした。

今後こうしたグローバルな社会起業家のココロミから刺激を受け、日本でも新しい動きが起こるのでは、という気になりますね。簡単な報告になってしまいますが、興味のある方は下記のリンクからたくさんの動画を閲覧することが可能です。

http://www.brac.net/index.php?nid=78

その中で当日プレゼンの前に映し出された動画はこちら(11分程度です)


ジョアンナ・メイヤー(Johanna Mair)氏のお話は、世界的なレベルで社会起業家研究が進んでいて、特にムハマド・ユヌス氏のノーベル賞受賞後、学術研究が盛んになっていることなどに触れ、今後もリサーチ・研究の対象として社会起業分野が刺激的である、と話されていました。

早い時期から世界で活躍する社会起業家に注目され、MBAプログラムで研究をされているとのことで、豊富な論文(↓)がウェブサイト等でも紹介されてます。興味のある方は下記リンク、ご参考までに。

http://insight.iese.edu/listadoArticulos.aspx?tipo=3&id=Johanna+Mair