ソーシャル・デザインに関してのシンポジウム、参加報告

今日は『ソーシャル・デザイン(デザイン+コミュニティ+ソーシャル・インパクト)』と題したシンポジウムに参加する機会がありました。主催が財団法人日本産業デザイン振興会、Japan Society、国際交流基金 日米センター、ということで、アメリカからのゲストを交え、「社会にポジティブなインパクトを与えるためにデザインの果たす役割は?」、というような内容を幅広く学ぶ機会でした。


気になっていたのは「GOOD」という、よいことを行い、よい生き方を求める人々を対象にしたCoolな隔月誌を26歳で創業し、現在28歳のマックス・ショア(Max Schorr)さんのお話でした。

極めてレベルの高いデザインで雑誌、オンラインサイトを運営し、雑誌の購読者からの購読費20ドルは全額同社が選ぶ12の非営利団体(Kiva, Ashoka,Teach for America、Room to Read等)に寄付されるしくみです。現在購読者が7万人の定期購読者なので、140万ドル(約1億26000万円)以上が寄付された計算になります。

雑誌発行・会社運営コストは広告費のみとのこと、雑誌を見ると主なクライアントはクサス、クリーンテックの風力発電会社大手など、高額所得者向けのメジャークライアントも含まれています。スケールが大きすぎてすぐに理解するのが難しいものの、新しい時代感覚、新しいビジネスモデルが生まれてきていることを感じました。

世界的に著名なデザイン会社IDEOデジタル部門で顧客サービス戦略を担当しつつ、2007年に「デザイナーズ・アコード」というNPOを設立、現在10万人以上が登録するデザイナー、企業、教育関係者のコミュニティを運営するヴァレリー・ケーシー(Valerie Casey)さんの話もとてもパワフルなものでした。*デザイナーズ・アコードに関してはこちらのブログで詳しく紹介されています。

デザイナーのオープンソースを加速し、いいアイディアを世界中で共有しながら社会と環境にポジティブなインパクトを与えることを目指しているとのこと。

2つの例から、正しいメッセージを優れたクリエイティブ(デザイン)を使い、オンラインツールをうまく使いネットワーク・コミュニティ化する中で問題解決を目指している姿が印象的でした。