Book Report:「チェンジメーカー〓社会起業家が世の中を変える」
- 作者: 渡邊奈々
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2005/08/04
- メディア: 単行本
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8月4日の発売日を待って、やっと手にして読んだので簡単に報告しますね。
「チェンジメーカー〓社会起業家が世の中を変える」 渡邊奈々(著)(日経BP社)
この本は、世界中で活躍されている社会起業家18人のものがたりの紹介ですが、今までの書籍との大きな違いは、それぞれの章に盛り込まれているポートレート写真にあります。もともとNY在住のプロのカメラマンである著者が撮影した方々の表情からは、そのしなやかなオーラ、強い信念をかもし出す雰囲気がとても強く伝わってきます。
もちろん、この書籍のもうひとつの大きな特徴は世界中で活躍している方々を選ぶ選定眼であり、その方々にアクセスでき、生の声を収集しているところがあると思います。とても素晴らしい方々のラインナップで構成されています。
知る人ぞ知る社会起業家育成のための財団、アショカ財団の創設者ビルドレイトン氏のインタビュー、そして自分自身かつて住み込みでインターンをしていたことがあるコモングラウンド・コミュニティの創設者であるロザンヌ・ハガティ氏の物語は改めて信念の持つ力の伝波というものを感じさせてくれます。
本を読む過程で、通勤中の電車の中、喫茶店の中、部屋の中、といろいろなところで読みながら感じたのは、この本に紹介されている人は世界的な規模で活躍をしていて、本から目線を挙げればそこには確実に日々の現実があるの、という点です。しかも取り挙げられている事例の多くは海外でのものが中心。ここから読者として何をメッセージとして受け止めればいいのか。ひとつは目の前の現実、身の回りのことに対してまず何かアクションを起こせたら、という点。もう一つは海を越えたところで活き活きと活躍されている人に刺激を受け、何らかの形で世界にも発信できるような試みがもっと日本からうまれてきたら、或いはささやかでもいいから自分でも何か始められたら、という点です。
この本で登場する方々の活躍を海の向こうの話、として片付けるのではなく、一人の人間として、何かに気づいてしまった人が、ほぼ「必然」のようなものに導かれてなにかひとつのことに情熱とエネルギーをささげていくプロセスとして捉えたら、より身近に感じることができるかもしれません。
社会起業家的な働き方がクールでしなやかでかっこいい、と感じることができる絶好の本だと思います。また読んだ人同士で情報交換などできたらと思っています。