梅田さんのキャリア論、個の力

やはり4月になると新入社員、就職、キャリア、生き方に関しての事象、ブログ投稿も多いですね。散漫に新聞・テレビを見ていても「3年で辞める若者」、今年の新入社員を評してすぐ辞めてしまう「デイトレーダー型」なんてトピックが多いなぁ、と感じてました。

久しぶりに梅田さんのブログを拝見、4月キャリア論をまとめたような投稿、そこから拡がるコメント、トラックバックが面白かったのでつい読んでしまう。

「好きを貫く」ことと大企業への就職

大企業 VS ベンチャー企業の比較、「好き」を仕事にすることについて、日本人のキャリアに対してのリスク感覚などがとても密度濃く書かれていて興味深いです。10分で程度でざっと一連の投稿も読めるはず。ぜひ。

興味深いコメントがひとつ

梅田さんがよくご承知のシリコンバレーでは、ブログは「名刺」であり、参加者はブログ空間でも実名であり、ネットいうシステムを通じてリアルでの繋がりも作る空間です。そこでは、「ネット」と「リアル」に差はありません。
それに対して、これは友人のマーケッターが言っていた表現なのですが、日本では、基本的にネットは「トイレ」です。匿名が基本であり、「ネット」と「リアル」には大きな断絶があり、「ネット」は「ネット」だけで完結しており、参加者の大半は、ネットで負のエネルギーを吐き出しています。

梅田さんの投稿にたくさん寄せられている多くの匿名投稿を見るにつけ、ブログの2チャンネル化を感じてしまいました。一方で心ある、そして建設的な議論もたくさんうまれてはいると思うけれど。

もうひとつ梅田さんエントリーから・・・
「「個」として強く生きること」と「ウェブ・リテラシーを持つこと」の関係

今年の自分のテーマである「ファイナンシャル・リテラシー」と併せて「ウェブ・リテラシー」の大切さを下記を読みながら再度認識です。もちろんウェブリテラシーを身につけるには、徹底的にウェブ上での滞在時間、可処分時間を投下しなければいけない訳で、様々な優先順位、或いは職場のネット環境での制約がある場合にはムズカシイものですね。

たとえば、ネットの世界がどういう仕組みで動いているかの原理は相当詳しく徹底的に理解している。ウェブで何かを表現したいと思ったらすぐにそれができるくらいまでの能力を身につけている(ブログ・サービスを使って文を書くとかそういうことではなくて)、「ウェブ上の分身にカネを稼がせてみよう」みたいな話を聞けば、手をさっさと動かしてサイトを作って実験ができる(そこに新しい技術を入れ込んだり)。広告収入の正確な流れも含め「バーチャル経済圏」がどういう仕組みで動いているかの深い理解がある。新しい技術も、ネット上で独学できる程度までいけるベースとして、ITやウェブに対する理解とプログラミング能力を持つ。・・・・・・

ウェブ・リテラシーをあえて挙げたその理由は、

(1)独学に向く領域で、(2)若者に有利な領域で、(3)その世界の頂点を目指さなくても自分よりもリテラシーのない膨大な数の人(特に年上の人たちでカネを持っている人達の層)より上にいくことは容易に目指し得るし、(4)これから何十年にもわたって「リアルとネットの境界領域での需要」はあらゆるところであり続けるから他のスキルに比べればつぶしがきく、(5)「好き」と「表現」の接点では、そもそもものすごく重要なスキルなので「好き」の延長上での自然な営みとして身につけられるかもしれず、(6)学歴とかあまり問われず「今何ができるか」が求められる傾向にある・・・・・

このブログのテーマでもある「社会起業家的な働き方のスタイル」も、この春のキャリア論の盛り上がりの文脈の中で、今後より具体的に議論されることもあるのかな、と少し思ってます。