塩野七生さん講演会@東商ホール

新潮社主催による「塩野七生さん講演会」に参加する機会がありました。同社の読者サービスの企画ということで申し込みをしたところ思いがけず当選。初めて生でお話を伺う機会でしたが、素晴らしい機会でした。

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)

もちろんいろいろな著作を書かれているものの、圧巻なのはやはり「ローマ人の物語」。1992年に一冊目を刊行して以来、昨年ようやく15巻完結。「ローマ人の物語」専用ウェブサイトもこちらにありますが、ぜひ興味のある方は覗いてみてください。

とにかくコトバの一つ一つが重みがあって、今にも2000年前のカエサルやアウグステイヌスなどが話しかけてきそうな雰囲気があり、人間の心理描写、その表現力、そしてなんともいえぬお茶目な笑顔がとても印象的でした。

15年間、「とにかくやるといったことはやる」という信念と自尊心で書き上げた「ローマ人の物語」。実は今までに何度か読もうとしたものの挫けた経験がありますが、今回のことをきっかけに絶対読んでみようという気持ちになりました。

今日聞いてすごい!と思ったのは塩野さんが今後この「ローマ人の物語」の英訳の作業を進めるとのこと。今まで欧米以外で、キリスト教者以外で、一人でローマの通史を書いたことがないという偉業ですが、英語化されることでもっともっと多くの人に読んでほしいから、とのこと。仕事をするのは1日午前中に5時間と決められて、こつこつと土日も夏休みもなく書き続けてこられたその集中力、持続力、本当に真似の出来ることではないですが、改めて尊敬。とてもイキな女性でした。