NHK BSドキュメンタリー 社会起業家〜kiva の試み

socialcompany2007-09-09


今夜放送された「BSドキュメンタリーシリーズ “社会起業家” 「一口25ドルでウガンダを救え」 〜貧困に挑む新融資ビジネス〜」、後半20分程度しか見れなかったのですが、とても惹きつけられる内容でした。グローバルレベルで「チャリティ」ではなく「ビジネス」として貧困問題の解決に創造的に取り組んでいる「kiva.org」という団体が紹介されていました。

簡単にいうと一口25ドルから途上国の起業家に対しての融資を行うしくみ。先進国に住んでいれば夕食代として支払うような金額が所得格差100分の1や200分の1の開発途上国でビジネスを起こす起業家に融資し、家族に食事を食べさせ、子供を学校に行かせるための切実な資本金となるしくみです。インターネットを使うことで、手軽に世界中の投資家と起業家を繋ぐことに成功しています。まさにスコールが言っていた「Bet on good people doing good things」に繋がる内容ですね。

お金を出資する人は利息を期待して融資するのではなく、起業家を応援し、そのプロジェクトの様子が写真付でインターネットを介して知ることができるので、貧困問題解決のための身の回りで何か出来ること、として手軽に参加しているようです。アメリカではニューヨークタイムズオプラ・ウィンフリー・ショーで紹介されたこともあり、出資希望者が殺到、今は融資先が全て出資を受け、借り手となる途上国の起業家が足りない、という状況。

ニューヨークタイムズでの紹介動画

PBS Frontlineでの紹介動画

オプラ・ウィンフリーショーでの紹介

しくみとして非常に優れているココロミだと思います。残念ながらサイトは現在全て英語ということもあり、日本からの参加は今は難しいかもしれません。ただムーブメントが拡がるにつれ、マルチ言語対応が行われるのでは、という気がします。

組織の成り立ち、スピード感を見るだけでも非常に興味深いです。元Tivoのエンジニアが創業、そして元paypal社員が加わり、グーグルで6年働いていたベテラン社員も参画。創業からまだ2年程度で約20名程度のフルタイムスタッフがいて、アドバイザリーボードにも名だたるシリコンバレーの起業家、投資家、弁護士などの専門家集団が控えています。

ウェブ2.0的なネットワーク、コミュニティを活かした新しい経済圏が生まれている例として、素晴らしい事]例でした。さすがNHK、いいプログラムを有難うございましたっ!

新しい投資家を募りはじめた際には小口ながらも出資してみたい、と感じました。

下記、NHKのサイトからの紹介です。後2回、社会起業家についてのシリーズが続きます。

9月8日(土)「一口25ドルでウガンダを救え」 〜貧困に挑む新融資ビジネス〜
「“KIVA”(スワヒリ語で"きずな“の意味)は、一般の個人が一口25ドルを融資して途上国の人々を支援する社会派ベンチャーである。サンフランシスコに住むマット・フラナリー(30歳)が妻と共に2年前に始めたホームページで、1000万ドル(約11億円)以上を集め、世界30カ国以上に融資している。フラナリー夫妻がこうした融資を最初に始めたウガンダでは、これまでに約500人が融資を受け、ピーナッツ・バターの小売商やタクシー運転手など自営業者が次々に誕生している。途上国の貧困の解決をめざす活動を追う。」
<ラインナップ>
9月 8日(土)「一口25ドルでウガンダを救え」〜貧困に挑む新融資ビジネス〜
9月15日(土)「農村に医療バスを走らせたい」 〜インド・若き起業家の挑戦〜
9月22日(土)「ホームレスが稼ぐ100万ドル」〜アメリカで広がるキッチンビジネス

なお、こちらのブログ(Long Tail Worldさん)でもkiva.orgのこと詳しく記載されていました。ご紹介させていただきますね。

9/12 追加:創業者の二人による創業ストーリーの動画 (social edgeより)